PRP療法prp
PRP療法とは
PRPは、多血小板血漿(platelet rich plasma)の略で、血液中の細胞である血小板が含まれています。血小板は血液を凝固させる能力を持つだけでなく、多くの生理活性物質も豊富に含んでおり、これらの成分が組織の損傷の回復を促進します。
しかし、実際の血液中では、血小板の割合はわずか1%未満しかありません。また、血小板中にも、組織の再生に有効な生理活性物質は少ないのです。そこでPRP療法では、血液を約50ml(ヤクルト1本分より少し少ない程度)採取し、遠心分離器で血小板が豊富な部分だけを約5ml抽出します。その後、靭帯や関節など、損傷した組織に注射するだけで治療は完了します。皮膚を切開して組織を取り出したり、移植したりすることはありません。もちろん、入院も必要ありません。
効果は早ければ3日程度、遅くても1か月程度で現れます。痛みが改善し、持続効果は1か月から最大1年ほど痛みが改善している方もいます。靭帯組織については完全に治癒する例もあります。
また、野球肘やテニス肘などの障害に対しても、炎症部位の回復が確認されている報告が多数あります。変形性関節症に対するPRP療法は、変形が進行していない例(K-L分類でgrade Ⅲ)では痛みの改善が報告されており、治療効果が十分期待できます。軟骨が再生し、病気が治癒する状態までの回復はまだデータ不足であり、根本的な治療法としての確立が期待されています。
当院ではPDF-FD療法を行います
PDF-FDは、血小板由来の因子を濃縮したものです。PRP療法は、血液から血小板を凝縮し、その液体を主要部位に注入する治療法ですが、PDF-FDはこのPRPをさらに高濃度に凝縮し、成長因子だけを抽出します。1回の採血で複数回の治療が可能です。
PDF-FD療法の利点としては、この加工により、通常のPRP療法と比較して血小板を高濃度に濃縮するため、得られる成長因子の濃度も高く、成長因子の総量が2倍になることが確認されています。また、フリーズドライ加工を行うことで、加工後の成長因子の濃度が時間経過により低下しないという利点があります。成長因子は常温で6か月間保存可能なので、血液採取後、患者様の都合に合わせて来院し、治療を受けることができます。
欠点としては、通常のPRPと同様に、注射後数日間の腫れや痛みが発生する可能性があります。 方法は、採血後に、厚生労働省から認可を受けた施設に依頼し、2~3週間後に製剤が完成します。この製剤を膝関節に注射します。
治療費について
PDF-FD療法は「自由診療」となります。
患者様の不安を取り除くため、当院では事前に無料カウンセリング(来院)を行っています。
膝の悩みでお困りの方はお気軽にご相談ください。
治療費
1回 128,000円(税込)
PRP療法との違いについて
PDF-FD療法は、通常のPRP療法と比べて成長因子と呼ばれる有効成分が2倍以上含まれていると言われています。
また、PDF-FD療法は一般的なPRP療法に比べて治療回数が少なく、個人差はありますが1年半から2年くらい効果が持続します。
1回の料金はPRP療法の方が安いですが、合計の治療料金にあまり差が出ないこと、PDF-FD療法が有効成分の量を倍以上含んでいること、患者様の負担が少ないことから、当院ではPDF-FD療法を提供しています。
お気軽にご相談ください
PRP療法のメリット・デメリット
患者様の自身の血液や脂肪などの組織を使用して治療するため、薬物治療による副作用や、外科手術による感染や出血などの合併症が少ないという利点があります。また、手術手順は比較的簡単なため、入院の必要性はありません。 現在、治療が健康保険の対象となるかは未定で、自由診療として提供されています。 しかし、安全性については既に確認されており、今後さらに広まる治療法となるでしょう。
PRP療法の目的
主な目標は痛みの軽減と炎症要素の削減です。さらに、損傷した組織の自己修復能力を刺激し、自然な治癒へと導くことも期待されています。
どのような症状に有効か
以下の痛み、病気に有効です。
- 変形性膝関節症
- 母指CM関節症
- 変形性股関節症
- 変形性足関節症
- 変形性肩関節症
- 肘上火炎
- 慢性腰痛
PRP療法は、ヒアルロン酸等による痛みの軽減が得られない方や、さまざまな理由で手術療法を避けたいと思っている患者様にとって、効果的な治療法となります。
副作用について
PRPを作製し注射した後、約10%の患者様が、2~3日間、注射部位に痛みと腫れを経験することがあります。これらの症状は数日で解消します。現時点では、それ以外の重大な副作用は報告されておらず、比較的安全な治療法と考えられます。